• 2016年12月22日
  • 2025年6月20日

ノロウイルスに注意

    11月から子供から大人まで、ウィルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)がかなり流行してますね。
    その為か、インフルエンザは、チラホラってところですかね。



    感染性胃腸炎とは?

    ウィルス・細菌・寄生虫によって引き起こされた胃腸炎全てを含みます。
    毎年、小球性ウイルス(SRSV )によるウイルス性胃腸炎の流行が、12 月にピークとなり、遅れて、春先にはロタウイルスによる胃腸炎がピークとなります。夏には、腸炎ビブリオなど細菌性のものや毒素型による胃腸炎がピークとなります。



    ノロウイルスについて

    サボウイルスと同じ、カリシウイルスの仲間です。見た目は、正二十面体の形をしたウイルスです。
    大きくGIとGIIの2つの遺伝子群に分類され、さらに細かく遺伝子型で分類される。
    人の小腸の一部の空腸という部分の上皮細胞に感染をして、さまざまな症状を考え引き起こします。

    よく、牡蠣を食べるとノロウイルスになると言われますが、不思議ですよね。何で他の貝は大丈夫なの?

    ノロウイルスの胃腸炎に罹ります。トイレで嘔吐・下痢をします。その中には多くのノロウイルスが含まれています。そして、汚水処理場に行きますが、ウイルスの一部は浄化処理をすり抜け、河川に排出されます。
    牡蠣などの二枚貝はプランクトンを食べます。鮑などの一枚貝は海藻を食べます。海藻は張り付いて食べれば良いのですが、海を漂っているプランクトン食べるとなると、海水ごと取り込む事になります。二枚貝は、海水は、体外に捨てますが、ノロウイルスは捨てきれず、内臓の中に残ってしまいます。これが年月をかけて内臓に蓄積してしまうので、牡蠣を食べるとノロウイルスに罹りやすくなってしまいます。ノロウイルスは、二枚貝の内臓に蓄積します。なので、寿司屋さんで出てくる他の二枚貝(帆立など)は貝柱を食べているので感染しないのです。内臓は捨てているので、問題にならない訳です。



    症状
    
1〜2日の潜伏期間を経て、嘔吐・下痢・腹痛・頭痛・発熱・筋肉痛・倦怠感が出現します。稀に咽頭痛などを伴うこともあります。

    乳幼児や高齢者では、下痢により脱水になってしまったり・嘔吐物により窒息する危険があるので入院する場合もあります。
    他の胃腸炎のウイルスと同様に、症状が消失した後も1週間ほど便中にウイルスが排出される為注意が必要です。



    診断
    
ノロウイルスは、培養が出来ないので、細菌性を疑った時に施行する様な便培養は行われない。

    確定診断は、PCRをする事です。便の中から、ノロウイルスの遺伝子を見つけ出すやり方です。しかし、コストと時間がかかる為、大学病院でも殆ど行いません。

    現在では、ノロウイルスの抗原検出の簡易キットがあるので、それで診断します。
    これは、ノロウイルスの表面のタンパク構造を別のウイルスに取り込ませます。それをウサギに感染させて、そこから、抗体を取り出して作られたものです。
    しかし、ノロウイルスの遺伝子構造も変化しています。現在、ノロウイルスは遺伝子型で30種類以上あると言われています。今後、種類が増えて行くであろう、ノロウイルスも検出できる様にしていかなければならないという事です。

    ただし、検査して診断しても治療は、他のウイルス性胃腸炎と変わらないです。なので検査の保険適応は、乳児・高齢者・食品関係者・免疫機能不全又は低下している者となっています



    治療

    特殊な治療はありません。対症療法が中心基本となります。嘔吐している場合は、吐き気止め・下痢している場合は、整腸剤・脱水が酷ければ、水分を点滴するといった感じです。



    予防

    手洗い・うがいは重要です。
    嘔吐物などの処理には、注意が必要です。
    次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)などで消毒するか、85℃以上で少なくとも1分以上加熱すると死滅します。
    家族では、前に使った人が、下痢をしていて、その直後にトイレに入る時は気をつけて下さい。ウイルスか浮遊しています。十分に換気してから入った方が良いでしょう。

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