• 2017年2月20日
  • 2025年6月20日

ロタウイルス

    こんばんは😄
    先週は、春一番が吹いたかと思いきや、今日は寒いですね〜❄️
    例年、春先はロタウイルスが流行します。小さいお子様の家庭は気を付けて下さい。



    1 ロタウイルスとは?

    乳幼児でかかる重症急性胃腸炎の主な原因です。😵

    世界では、ロタウイルスにより5歳未満の小児が年間約50万人死亡しているとされています。

    ロタウイルスは、感染力が非常に強いため、先進国でもその感染予防は難しく、国内でも、生後6カ月から5歳までに、ほぼすべての乳幼児がロタウイルスに感染し、胃腸炎を発症するとされています。国内では、ロタウイルスによる死亡は稀です。


    ロタウイルスはレオウイルス科・ロタウイルス属に分類されます。

    ウイルスは、構造で外殻・内殻・コアの3層に分かれます。

    ウイルスの内殻蛋白質により、A~G群の7種類に分類されます。ヒトへの感染が報告されているのは、主にAとC群です。

    そして、外殻蛋白により、GタイプとPタイプに分けられます。ヒトで感染が多いのが、GタイプがG1~4・G9、PタイプがP4・8です。



    2症状は・・・

    潜伏期間は2日程度です。

    ロタウイルスは、小腸の腸管上皮細胞に感染する。それにより、腸管からの水分の吸収が阻害され下痢になります。

    主症状は、水様性下痢(血便は伴わない)・嘔気・嘔吐・発熱・腹痛であり、通常1~2週間で自然に治癒します。しかし、脱水がひどくなるとショック・電解質異常・稀に死に至ることもあります。


    ロタウイルスは、遺伝子型が異なってもある程度の交差免疫が成立するため、感染を繰り返すごとに症状は軽くなっていきます。

    なので、大人がロタウイルスに感染している児と接触しても殆ど、不顕性感染(症状が出ない事)で終わる事が多いです。

    新生児も、母体由来の免疫が移行している為、不顕性感染で終わる事が多いと言われています。

    他のウイルス性胃腸炎に比べ、2歳以下の乳幼児で、重度の脱水症になるケースが多いです。

    他には、重度の脱水症から引き起こされる腎不全・脳炎などの中枢神経疾患も報告されています。



    3診断は・・・

    迅速診断検査(イムノクロマト法)を用いた診断が多く用いられています。便を用いてウイルス抗原を抗原抗体反応で検出する方法で、15分程度で結果が分かります。感度も95%と良いです。ただし、この検査の欠点は、A群のロタウイルス特異抗体を使用しているため、B・C群のロタウイルスは検出できません。

    なので大学病院などでは、PCRといい、ロタウイルスの遺伝子を見つける検査を同時にしています。

    ただし、ウイルス性胃腸炎の検査は保険適応がない為、自費での検査になります。原因ウイルスを特定しても、治療法が変わらない為です。



    4治療法・・・

    一般的な胃腸炎と同じで、下痢に対しては、整腸剤の内服・経口補水を行います。

    脱水に対しては、経口補水・酷ければ点滴を行います。

    嘔吐に対しては、制吐剤の投与を行います。

    合併症があるときには合併症に準じた治療を行います。



    5予防法・・・

    感染経路は、人・人の間で起こる糞口感染が主と考えられています。ロタウイルスの患者の下痢便には、便1g当たり1010個と多量のウイルスが排泄されます。感染力も非常に強い為、ウイルスが10~100個口から入ると感染が成立します。

    予防は、オムツの適切な処理・手洗いの徹底・汚染された衣類等の次亜塩素酸消毒・処理後の換気が大事です

    ⭐️⭐️⭐️予防法を詳しくは、下記をご覧下さい。⭐️⭐️⭐️
    小学館で家庭内の予防法の記事を書かせて頂きました👍
    http://dime.jp/genre/347285/

    のぞみクリニック 03-5769-0355 ホームページ