こんにちは😃
急に寒くなってきましたね。咳の酷い風邪が流行ってますね。ちらほらとインフルエンザが周りで出たという話も聞きます。皆さんも体調を崩さないように気をつけて下さいね。


今回は、マイコプラズマ感染についてです。こちらも流行してますね。

あえて、マイコプラズマ感染と書かせていただきます。
多くの方が誤解されているのですが、マイコプラズマにかかると肺炎になると思っている方が多いです。
実際、殆どはマイコプラズマに感染しても気管支炎で止まります。約2割程度しか肺炎にはなりません。
しかし、ニュースや学校では、マイコプラズマ肺炎が流行っていると言ってしまうので誤解を招いてしまいますね。



1️⃣まずマイコプラズマとは?


正式には、マイコプラズマニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae )と言います。一応は、細菌に分類されますが、厳密には微生物に入ります。細菌は、細胞壁を持っていますが、マイコプラズマは細胞壁を持っていません。後半の治療でも出てきますが、細胞壁を持たない為、細胞壁の合成阻害の抗菌薬は効きません。皆さんも、聞き覚えがあるかも知れませんが、ペニシリン系やセフェム系等は効きません。

飛沫感染と接触感染により感染します。ただし、濃厚接触しないと感染は成立しないので、インフルエンザの様に簡単にかかることは少ないです。



2️⃣感染しやすい年齢は?


幼児期〜青年期が最も罹りやすいです。中でも特に、小学生の罹患率は高いです。
以前は、4 年周期でオリンピックのある年に爆発的に流行すると言われていました。しかし近年はそうでもなく、毎年それなりに流行してます。




3️⃣症状は?



潜伏期間は通常2~3週間と長いです。
その後、発熱・咳・倦怠感等が出現してきます。
以前は、痰の絡まない咳が多いと言われていたのですが、最近は、痰の絡む咳をする事も多いです。ただし、特徴的なのは、最初は夜に咳が酷くなるという事です。
そして咳は、日にちが経つごとに徐々に酷くなり、抗菌薬で治療し解熱した後も2〜4週間続きます。
他には、鼻水・咽頭痛・嗄声・耳痛・胸痛等もみられます。稀に発疹も出現する事もあります。



4️⃣所見は?


特徴的なのは、酷い咳、熱があるのに、意外と呼吸音は綺麗な事も多いという事です。
以前は、胸部レントゲンで、びまん性のスリガラス様陰影(肺の全体的に白っぽく写る)が特徴とされてきましたが、実際は、多彩な陰影が見られます。



5️⃣診断は?



確定診断は、患者の咽頭拭い液・喀痰・血液からマイコプラズマを分離する事です。いわゆるPCRをしてマイコプラズマの遺伝子を見つけ出す事です。しかし、大学病院レベルでないと出来ませんし、時間もかかります。

多くの臨床の場で使用されているのが、採血によるマイコプラズマ抗体です。しかし、これは抗体(自分の免疫)なのですぐには、上昇しません。ペア血清と言い、発熱時に採血して、数週間置いて、治ってからもう一度採血して、抗体が4倍以上上昇していたら確定診断できます。しかし、治ってから来院される方はまず居ませんよね。なので一回のマイコプラズマ抗体で診断する場合は、抗体価が320倍以上上昇している時とされています。但し、これも確定診断とまでは言い切れません。
事実、自分が大学の研究でマイコプラズマと診断されてかつ抗体価が640倍以上の方34人をPCRにかけたところ、PCR陽性は、たったの2人だけでした。

当院では、咽頭からマイコプラズマの抗原を検出できるキットも採用しています。抗原を検出出来るので陽性が出れば、ほぼ確定診断出来ます。ただし、欠点が陽性の検出率が6割程度です。なので4割の方は、本当はマイコプラズマに感染しているのに、陰性と出てしまいます。なので当院では血液検査も並行して行うことにより、より正確に診断する様にしています。




6️⃣治療は?予防は?



マクロライド系・テトラサイクリン系・ニューキノロン系の抗菌薬を投与します。最近は、オゼックス(キノロン系)という抗菌薬の効果がイマイチな感じがします。恐らく、少し耐性化(抗菌薬が効かなくなってくる事)をしている気がします。
肺炎の場合は、ミノマイシン等の点滴を投与します。

特異的な予防方法はなく、手洗い・うがい等と、患者との濃厚な接触を避けることです。

皆さん気をつけて下さいm(_ _)m

TOPへ戻る
ネット予約 お問い合わせ
1860345797282 0357690355